ついたちブレンド　3月《曙色》 ※こちらの商品の発送は2月28日以降に順次行います。（同時に購入していただいた商品に関しても、2月28日以降のまとめ発送となりますのでご注意ください。） 【INTRODUCTION】 ブレンド内容 Idido / Heirloom / Washed (Ethiopia) Bombe / Heirloom / Natural (Ethiopia) Kii / SL28,SL34,Batian / Washed (Kenya) カップの印象 フローラル、チェリー、オレンジ、キャラメル、スイート 【INFORMATION】 2025年に入ってから2か月間、ここまでは落ち着いた風合いのブレンドをリリースしていました。迎える3月は、明け方早くはまだ冷たい空気ながらも、確かに温かくなりはじめ、出会いと別れを間近に浮足立つ空気を眺めながら、悠々と上る朗らかな陽の色をイメージすることにしました。そうです。春はあけぼの…。だんだんと白んでいくうちに、山のきわの空が少し明るくなって、紫がかった雲が細くたなびいているところが春の良いところだと。そんな上空の、照らされた部分の色合いに、春の良さを感じる、清少納言の時代を超えた名文にも有名なことばであり、その夜明けの陽を想起した色名が、今回のテイストイメージのルーツです。 相変わらず、面白おかしいことよりも、何かと暗い話題が声を大きくして伝えられるような時代であって、この2か月間も明るいことばかりではないような感覚がありますが、まずもって個人の心持ぐらいは、努めて明るいものであってほしいと切に願います。3月から4月にかけて、変化があり、新しいものがあり、目覚めと芽吹きがあります。世界中で新しい出会いが生まれ、特にここ日本では、陽気に照らされた風景に式をいつくしむ人々が増えることもあって、個人的に春は好きです。そんな中に、明るくフレッシュで、凝縮された果実のような印象も持つこのブレンドがあったらいいなと思います。 メインになるコーヒー、その両者がエチオピアのロットです。昨年12月にリリースしたブレンドも大変好評で、あとから追加販売のお願いをいただき、大変光栄でありましたが、あのブレンドもエチオピアオンリーのものでした。今回のものも、同じように、皆さんに愛されるのではないかなと思っています。まさにスター選手であるなあと感じるわけです。アフリカに位置するコーヒー原産国。 ウォッシュドは今季最もハイパフォーマンスを感じさせてくれたボリュームロットのエチオピア。通常の店頭販売ではクラシカルローストでリリース予定のロットですが、正直オリジナルの焙煎レンジでも十分に、いやファンがつくだろうというぐらいに美味しい。なんだかここ最近、もったいないなあと思いつつも、後に控えるロットのリリースタイミングと相談して、頭を悩ませているくらいです。 通常、サンプリングした後に注文したコーヒーが届くと、港からの経過日数や、保管の関係で、幾分かクオリティが変わっていたりします。水分値と水分活性値の管理がカギではあるのですが、このイディドのロットはうまいこと理想的な数値が保たれやすかったのでしょうか、ほかのロットに比べて圧倒的にハイパフォーマンスなボリュームロットとしてわたしたちの倉庫に届きました。ということで、この魅力が失われる前に、いそいでこのブレンドでご紹介。というわけです。 エチオピアのもう片方はボンベ。最近ピンクのラインナップでリリースしたばかりの、ニグセさんが手がけたロットです。詳しくは単体の紹介ページを覗いていただきたいのですが、こちらも単純にうまいと思わせてくれる、エチオピアらしさ満開のロット。正直、この価格でいいのかと、疑問に思う節があったくらいに。来年は価格を上げてもらってでも、ぜひクオリティを維持してほしいと思わせてくれるような1杯です。 ケニアのロットには、今回ＡＢロットを中心に、少しだけＡＡも入ってくるかと。残量の関係になってしまうのですが、これがどうして、どちらか片方だけの時よりも、後口の複雑さが重厚になっている印象です。 なんだかんだと、組み上げてみたら、「これはいいなあ」としみじみする様なテイストが出来上がりました。いや、しみじみどころではなく、一口で元気がみなぎってくるような、そんなエネルギーを感じるような魅力すらあります。 飲む人の3月にも、晴れの明け方のような、静謐ながら何かの胎動を力強く感じるような日々があって、エネルギッシュでわくわくるような新年度を迎えていただけるように、そんなきっかけになると幸いに思います。いつものブレンドと同様に、基本はどんな方でも飲みやすいバランス。ぜひ1か月間のエイジングも楽しみなアフリカのブレンドを、ゆっくりと楽しんでください。